怒りは悪い感情では無い

怒りを感じる瞬間は誰にでもあるでしょう。では、怒りとは悪いものなのか。そうではありません。怒りは人間の感情の中でも必要な大切なもの。大事なのはそれをどう扱うか。

今回は怒りをコントロールする。アンガーマネジメントについて紹介していきます。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは1980年代にアメリカで生まれた怒りと上手に付き合うための心理トレーニングです。

目指すのは、「怒らないようにする」のではなく「怒りの感情で後悔しないようにすること」です。

アンガーマネジメントをする背景としては、2022年の4月にパワハラ防止措置の義務化が実施され、違反をすると、助言・指導・勧告の対象になることになりました。

つまり、働く中で一人一人が怒りとうまく付き合うことで、心理的な安全が保たれるだけでなく生産性も向上します。

怒りとは

みなさんの中で怒ることは悪いことだと思っている人もいるのでは無いでしょうか。

でも実際は、悪いものではなく、怒りの感情は人間だけでなく、動物にも備わっている自然なものなのです。

むしろ、危機から身を守る大切な感情なのです。

でもだからと言って、所構わず怒ると人間関係や仕事で問題が起こるかもしれないし、逆に怒りを放置して我慢すると、自分がどんどん傷付いていき普段の感覚を麻痺させてしまいます。

怒りや不満は無くせないし、無くす必要はありません。自分の怒りと上手に付き合っていくことが求められているのです

怒りは二次感情

怒りは、単体で存在しているものではありません。怒りの前には必ず他の感情があり、その感情を受けて怒りが生まれるのです。

例えば、仕事で、上司に仕事が終わったことを報告した時に、上司から「遅いな、同期の〇〇はもうとっくに終わってるぞ」と言われた時には、怒りの前に一次感情として「〇〇よりできていない悔しさ」「比べられたことへの悲しさ」「努力が報われなかったことへの虚しさ」などいろんな感情が先にあって、怒りになるのです。

つまり、怒りは突拍子に起こるものではなく、①出来事→②解釈(認知)→③怒りというメカニズムがあるのです。

では、怒りをコントロールするために自分たちでできることは何か。それはズバリ②解釈(認知)です。

例えば、上司に挨拶をした時に返事が無かったとしましょう。その出来事を受けて、自身でどう解釈するか、「無視された、腹がたつ」と解釈すると、それは怒りになりますよね。しかし違う認知の仕方として「聞こえてなかったから、またタイミングが合ったら言おう」と解釈すると怒りの感情が湧き出ることも少ないでしょう。

このように出来事に対しての認知を変えることで怒りはコントロールできます

怒りと付き合う4つの方法

怒りの境界線を広げる

怒りが起こるポイントは人それぞれで、これは許せる、これは許せないという境界線があります。

だからこそまずは自分の境界線を知ることで、自分がどこまで許せるのか、なぜ許せなかったのか伝えることで良好な人間関係を築けていきます。

②スケールテクニック

自分の怒りを点数化するテクニックです。

出来事に対して0点は穏やか、怒りを感じない。3点はイラっとするが割とすぐに忘れる。7点は腹がたつがコントロール可能、10点は最大の怒りなど、出来事に対して点数をつけます。

このテクニックのメリットは

・自分の怒りを客観視できること

 自分と怒りの距離を置き、飲み込まれることを防ぐことができます

・落ち着くための時間を稼げる

 「何点かな?」と考える時間で理性が働く時間を確保でき、衝動を抑えられます

③ストレスを分類する

「なぜかイライラするな、、」という時は誰にでもあると思います。そんな時は背景にたくさんの小さなストレスがあるのかもしれません

そんな時は、ひとまずストレスを全て書き出してみることが効果的です。

・寝不足・体重が増えた・通行人に足を踏まれたなどなど

書き出すだけでもストレスが減りますのでぜひ実践してみてください。

④6秒やり過ごす

どんなに激しい怒りでも、感情のピークは6秒だと言われています。なので6秒やり過ごすことで、冷静な自分になれるでしょう。

じゃあどうやってやり過ごすのか、方法の一つとして、カウントバックという方法があります。

カウントバックは、強制的に頭を使って他のことを考える余裕を無くす方法です。

1、2、3・・と数えると簡単すぎるので、100から7をどんどん引いていく方法が効果的だと言われています。

終わりに

アンガーマネジメント、いかがだったでしょうか。

今回紹介した方法以外にも怒りと上手く付き合う方法は色々あります。

怒りと向き合っていくことは、職場での人間関係だけでなく、生きる上でもきっと便利なものになります。

ぜひ色々試してみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました